M&Aにおける契約書でのポイントや注意点をご紹介:チェンジオブコントロール条項

こんにちは、M&A仲介・アドバイザリー会社のクラリスキャピタルです。

チェンジオブコントロール条項(Change of control agreements、略して「COC」,「COC条項」)とは商取引契約書などにおいて、契約当事者に支配権(コントロール)の変更があった(チェンジ)ときの扱いを定めた条項です。

049例えば、「支配権の変更」の定義や、相手方への支配権の変更についての通知義務、相手方が契約の解除をすることができる、などの内容です。

チェンジオブコントロール条項は取引契約書等を取り交わす段においてはあまり気にならない条項かもしれません。

しかし、M&Aにおいては、重要なポイントの一つとなります。

M&Aでは当然ながら支配権の変更を伴うことがほとんどであり、チェンジオブコントロール条項に抵触することが多くなりますが、例えば、チェンジオブコントロール条項をもって、大事な取引契約が解除されることになると、対象会社のビジネスの根幹を揺るがすことにもなりかねません。

対象会社や事業の価値を評価するにあたって、取引先との継続取引が前提となっているため、取引契約が解除されてしまうと、価値評価の前提が崩れてしまいます。

このようにM&Aにおいてはチェンジオブコントロール条項が重要なポイントなるため、通常、買収監査(DD)のうちの法務DDの一環として、法務の専門家が対象会社の各契約書からチェンジオブコントロール条項の有無・内容・影響を確認・精査します。

チェンジオブコントロール条項が重要な契約書に定められており、これにM&A取引が抵触する場合には、M&A後、つまり支配権が変わったあとも、継続的に取引できなくなるリスクを回避するために、M&Aに係る取引契約でその手当をすることになります。

例えば、契約日とクロージング日をそれぞれ別の日に定めて、クロージングの前提条件として、取引先からM&A後(=チェンジオブコントロール後)も変わらず、同じ条件で取引する旨の確約書や契約書を入手することを条件とする方法があります。

これが入手できず、取引契約が解除されるような場合には、M&Aの取引金額等の条件に反映させる、とすることもあります。

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