M&A買収におけるプロセスである、買収監査(DD)における注意点(下)

375e054e33ff15137c2c455c909f9f8e_sこんにちは、クラリスキャピタルです。
前回の買収監査(DD)における留意点(上)の続きです。
買収監査において買い手サイドが特に留意すべきと思われるポイントについて見ていきたいと思います。

対象会社の従業員に対する対応
通常、この段階において、売り手(オーナー社長など)はM&Aについて従業員の方に話しておらず、内密に進めています(「従業員にいつM&Aのことを話すか」ご参照)。
しかし、買収監査を対象会社にて行う場合には、対象会社の従業員に資料を用意してもらったり、写しをとっていただいたり、インタビューを受けてもらうなどの協力をしてもらうことがほとんどです。
そのため、買収監査であることは伏せて、別の他の理由で来たことにする必要があります。例えば経営コンサルティングのための対象会社把握調査などの名目を決めて、売り手・専門家と共通の認識と対応をするようにします。
細かいことですが、対象会社の受付では買い手などの社名を名乗るか否か、名刺の授受をどうするか等、売り手とも事前に相談・確認しておき、買収監査をするメンバーで認識を徹底しておきます。

対象会社にて買収監査を行うことに支障がある場合には、対象会社とは別の場所にデータルームを設けて、従業員へのインタビューは行わない、という対応を検討します。

171acc33534a3560f1c8176faea504dd_s対象会社(売り手)への配慮
買収監査は対象会社を非難・攻撃する場ではありません。対象会社は通常の業務でお忙しい中、資料の用意や、インタビューなどの対応をしてくださっています。信頼関係を崩さないように、言葉遣いなど対象会社への配慮を怠らないことが重要です。
中には、お仕事を遂行する気持ちが強すぎるのか、対象会社へ詰問口調になり、お相手の気分を害してしまう方がいらっしゃいます。
買収監査を行う専門家の方などに対象会社への配慮を事前に確認したり、そのような場面に遭遇したときには、その後、気を付けていただくように伝えます。