M&Aにおける意向表明書(LOI)提出時の注意事項についてご説明
こんにちは、クラリスキャピタルです。
前回は意向表明書(LOI)について書きました。
今回はクラリスキャピタルが考える意向表明書を提出するにあったっての注意事項についてです。
- 提出期限は厳守、ただし提出タイミングはギリギリに
提出期限が定められている場合には、ビジネスマナーとして期限内にだしましょう。
ただし、ライバルがいる場合には、自社の意向表明が他社に漏れて(あってはならないですが)、それよりも高い価格を入れられるリスクがあるため、提出期限当日に出すのがよいでしょう。
- 意向表明書提出前のプロセスも大事に
特に日本の場合は売り手が意向表明の条件・金額などだけではなく、他の要素も含めて総合的に判断することが多いといえます。意向表明前の面談などで、会社・代表などの印象・姿勢・考え方・相性なども見られていますので、意向表明書提出前のプロセスなども大事にしましょう。
- アピールしたい事があれば意向表明書に盛り込むのも手。
条件・金額も大事ですが、それ以外の熱い思いや、取引後の具体的運営プラン、自社についてのアピールなどあれば、意向表明書のフォームが指定されている場合でも、それに追加してメッセージやプレゼンテーションを盛り込んでアピールすることも一つの手です。
- 価格の提示は慎重に
買収監査の後で何らかのもっともらしい理由をつけて、価格を買い手の希望まで下げようという意図で、独占交渉権を得るために、その気もないような高い価格を意向表明書で提示するのは、たとえ独占交渉権を得たとしても、売り手との信頼関係を壊してブレイクしかねません。
そのため、その時点で知りうる情報を検討した結果の誠実な価格を提示するのがよいと考えます。
また、価格の提示をレンジで表示する場合、幅を広めにだしすぎるのも、同様の理由でお相手から不信感をかう可能性がありますので、可能な限り狭めたほうがよいといえます。
- ドラフトをM&Aアドバザーにみてもらう
正式提出前にドラフトをM&Aアドバイザーにみてもらい、意見を聞くのがよいでしょう。漏れなどがないかの基礎的な確認と、内容についてアドバイスをもらいます。M&Aアドバイザーはいくつも意向表明書をみていますし、売り手のキャラクターなどから、このような書き方のほうがお相手に響くといったアドバイスをしてくれるので、参考にします。
以上、ご参考にしていただけますと幸いです。
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