M&A仲介会社がアフィリエイトサイトを買収した結果
こんにちは、クラリスキャピタルの牧野です。
前回のブログで、弊社が設立(2014年5月)当初にリラクゼーションサロンを出店して1千万円くらい損した話をしました。
この失敗による恐怖から、私は新たな投資、自社による買収に他しいて尻込みしていました。
しかし、もともと会社設立時には自社でも買い手としてM&Aをしたい、事業や会社を譲り受けたいとは思っていました。
M&A仲介会社がなぜ自ら買収しようと考えたか
M&A仲介をする中で多くの業態の事業や会社様のビジネスモデルや財務内容に触れる機会が当然多いので、案件の目利きができるのではと考えました。
また、自らが買収の経験者となることで、買い手様の気持ちがわかり、その後のM&Aアドバイスに活かせると思いました。
なぜサイト買収?
弊社の本業はM&A仲介業ですので、買収した事業にかかりきりになることはできません。
しかし、片手間で経営してうまくいくような事業があるはずもありませんので、代わりに経営してくださる方が必要です。それには予算やそれに適する人材等の壁があり、潤沢な買収予算がない弊社には難しそうだと思うようになりました。
そこで、サイト買収を考えました。
場所を問わずにできるし、外注して記事作成などすれば本業に支障出来ずにサイト運営できるのでは…と考えたのです。
ほぼ同時期に2サイト買収した
先のリラクゼーションでの投資の失敗で消極的になっていた私ですが、コロナによる先行き不安から、安定収益が必要だと思い、ようやく2020年6月に思い切って2サイトを買収しました。
【売却案件としてのサイトM&A紹介ページにおける掲載情報(数字はいずれも月間)】
サイトA(トレンドサイト)… 売却希望価格1,100万円 売上80万円超、30万PV、 UU25万
サイトB(お得情報サイト)… 売却希望価格250万円 売上15万円、6万PV、UU1.2万
買収した2サイトのその後
2サイト買収した結果は
サイトA(トレンドサイト)…色々あり、買収から2か月ほどで手放しました。150万円くらいの損がでました。
サイトB(お得情報サイト)…現在の売上40~80万円、20万PV、UU2万(2021年7月)と大きく成長しました。
サイトA(トレンドサイト)は大失敗に終わり、サイトB(お得情報サイト)は買収後、大きく成長しました。
サイトBの成功要因
サイトB(お得情報サイト)が成長・成功した要因は、もとの運営者の方がそのまま、運営を代行してくださったこと、またその運営者の方が非常に優秀だった、ということにつきます。
サイトA(トレンドサイト)のほうが投資額も大きく、過去の収益からの売却希望価格はお得でしたので、当初重視しているのはこちらでしたが、結果は逆となりました。
サイトB(お得情報サイト)の方とは何か月かやり取りを重ねていくうちに、その方の能力の高さがすごいので、収益に対するインセンティブもお支払いする形にして、サイト収益を分かち合うビジネスパートナーになっていただきました。
ただ、サイトB(お得情報サイト)運営者の方が有能な方かは買収前の1回の面談だけでは全くわからなかったので、この方とに出会えたのは宝くじを当てたみたいなものでした。
ちなみに、よいビジネスパートナーに恵まれたといえば、弊社専務執行役員の仁科(にしな)もそうで、よく私に愛想をつかさずに一緒に仕事をしてくれており、仁科がビジネスパートナーとしていれくれていることに心から感謝です。
というわけで、上手くいくかどうかはガチャだったなという実感が強いので、学びもなにもあったものではありませんが、アフィリエイトサイトを運営することについてのノウハウや体感的なものは少しは身に着いたように思います。サイトA(トレンドサイト)のほうでも手を離れたので詳しくは書けませんが、いろいろと学びがありました。
グラフでみるサイトBの成長
サイトBの買収前、買収後の各数値をグラフ化してみました。
2020年6月の落ち込みは6月下旬に譲り受けたので、データをとれた期間が短くなっているためです。その後、順調にPVは右肩上がりに成長、今年7月は20万PVを超えています。
UU数の推移も譲受後、順調に右肩上がりに成長し、7月は2万UUを超えました。
アドセンス(Google AdSense)は譲り受けた後、2020年10月から2月にかけて不正クリック等を原因としてアドセンスを停止されて、対策して再度再開、また停止を繰り返したため、収益があがりませんでした。その後、対策をして停止されることなく、収益を上げてくれています。7月のアドセンス収入は50万円超、今月8月は1日当たり2~3万円の推定収益が発生しています。
上記はアドセンスとその他アフィリエイト収入を合計した収益の推移となります。アフィリエイト広告は記事によって、収益が伸びたりするので、綺麗な右肩上がりのグラフにはなりませんが、譲り受けてから全体売上のボリュームが大きくなっています。
上記はクラリスで譲り受けてからの、売上から費用(運営者に支払うインセンティブ含む)を控除した後の利益推移です。直近では20~40万円程度の利益が安定的あがっています。
上記グラフは譲り受けてからの累積の利益です。仲介手数料を含めた投資金額が約260万円ですので、今年の5月に買収してからわずか11か月で回収することができました。
買収してからのおよそ1年間(2020年6月下旬~2021年6月末)でネット投資利回りは116%、不動産投資のグロス利回りが4~10%程度であることと比較すると、200万円ちょっとの投資で毎月20~40万円程度の利益が発生しているのはちょっとびっくりする数字です。
とはいえ、投資全体という観点でいくと、設立当初のリラクゼーションサロンでの1千万円超の損失、サイトA(トレンドサイト)での150万円ほどの損失を埋めるには至っていません。。
今後はトータルの投資損失を埋めるべく、引き続きサイトBの成長を見守り、更なる別事業投資を検討しなければと思っています。