M&Aアドバイザリー・仲介会社は多種多様ですが、その選び方についてご紹介したいと思います。まず、M&A仲介会社にはどのような種類・特性の会社があるのか、クラリスキャピタルの立ち位置も含めて、説明させていただきます。
※買収をお考えのお客様は情報収集のために、特定のM&A仲介・アドバイザリー会社ではなく、幅広く多くのM&A仲介会社とコンタクトを持たれるのがよいかと思います。そのため、ここでは主に売却側によるM&A仲介会社の選び方の視点で説明させていただきます。
M&A仲介会社の種類・特性
✔ 大手か小規模ファームか
M&A仲介会社の規模による違いです。M&Aアドバイザーが数人のM&A仲介会社から数百人を擁するようなM&A仲介会社まで、規模は様々です。クラリスキャピタルは小規模ファームならではの、きめ細やかなサービスを提供しております。
✔ 業界特化型か非特化型か
特定の業界・業種のM&A案件を専門的に扱うM&A仲介会社もあれば、クラリスキャピタルのように業界・業種を特化せず、様々なM&A案件を扱うM&A仲介会社があります。業界・業種特化型の場合は介護業界、WEBサイト、店舗系ビジネス、クリニック系、調剤薬局等の業界に特化しているようなM&A仲介会社です。
ただし、主要な全業種に対して、それぞれ特化しているM&A仲介会社が存在するわけではなく、M&Aが活発であるような業界等に対応したようなM&A仲介会社が存在するというのが現状です。
業界・業種特化型のM&A仲介会社の場合は、その業界についての深い知識や、業界に関する法改正動向などに詳しいのに加え、その業界のM&A案件情報を持っています。
特定の業界に特化していないM&A仲介会社は、業界をまたいだマッチングが得意である、幅広いネットワークを有しているという特徴があります。
✔ M&A案件の規模
扱うM&A案件の規模(主には売買金額)を定めているM&A仲介会社もあります。
M&Aで大規模案件といえば、ディールサイズで数百億円以上、中規模案件は数億円〜数十億円、小規模は一億円以下程度でしょうか。
クラリス・キャピタルでは小規模から中規模を多く扱っております。
しかし、クラリスキャピタルのM&Aアドバイザーは大規模案件に携わり、成功に導いた経験もございますので、どのようなサイズの案件でも対応可能でございます。
✔ 系列所属か独立系か
系列所属のM&A仲介会社とは、グループ企業(会計系など)の中のM&A仲介専門会社です。
対して、いずれのグループや系列にも属さない独立系のM&A仲介会社(ブティック)があります。
クラリスキャピタルは独立系の M&A仲介会社です。系列に属していることで、グループ特有の情報が入ることがありますし、グループのリソース(ネットワークやインフラ)を活用することができます。独立系の場合は、系列やグループでの縛りがないため、自由に動くことができます。
✔ 対応エリア
エリア特化型のM&A仲介会社もありますし、全国対応のM&A仲介会社もあります。
クラリスキャピタルは東京を拠点としておりますが、出張で全国対応しております。
地域特化型のM&A仲介会社の場合、マニアックな地域の企業情報を有することを活かしたマッチングができます。
全国対応のM&A仲介会社の場合は、売却側様が幅広く全国の買収側様を探せるというメリットがあります。
✔ 専業か兼業か
M&A仲介アドバイザリーを専業で行なっている会社もあれば、元々の本業にM&Aについてお客様からご相談いただくことも多いため、兼業で行なっているというようなM&A仲介会社もあります。
クラリスキャピタルはM&A仲介業を専業で営んでおります。
兼業の場合、本業のネットワークも活用しての活動が期待できるでしょう。
一方、M&A仲介に専業している会社は、M&Aアドバイザリー・仲介だけで食べていけるという、実力のある会社が多いといえるかもしれません。
このように、各M&A仲介会社はそれぞれの特徴・分類がございますので、売却側様はご自身が営まれている事業内容、事業規模、営業エリアなどから、適したM&Aアドバイザリー・仲介会社を選ぶのが良いでしょう。
M&A仲介会社を選択する際のポイント
以上を踏まえた上で、クラリスキャピタルが考える、M&A仲介会社を選ぶ際のポイントについてご紹介いたします。
M&A仲介会社を選ぶ際のポイントは「M&A仲介会社・M&Aアドバイザーの実力差はピンキリなので、複数社の担当者と会って、信頼して任せることができる会社を選ぶ」ことに尽きるかと存じます。
以前、「頼れるM&Aアドバイザーとは」という記事で書かせていただいたような社会人としてレベルの低いM&Aアドバイザーや、怪しい情報屋、モラルの欠如したM&A仲介会社から、必要な専門知識とM&Aの実務に精通しているM&Aアドバイザー・仲介会社まで実力の開きは大きいというのが、この業界にいるものとしての実感です。
専門知識が豊富でも、M&Aを成功に導く力量・経験も、個々人の能力差が激しいところだと思います。
M&A仲介会社とアドバイザリー報酬・手数料でトラブルになって、クラリスキャピタルにご相談いただくお客様も多いです(「頼れるM&Aアドバイザーとは」の中の「4.着手金や中間金をとったのに、動いてくれない」をご参照ください)。
債権・債務の関係性の無理解、税務・会計的知識の欠如から、売却側様の要望を合わせた形の最適なスキームを組み立てられない案件概要書を目にすることもあります。
M&A仲介会社による秘密保持・情報管理が徹底されておらず、業界で出回り案件になってしまったことで、「よっぽど、どこも手を出さない案件だろう」と思われて、M&A案件としての価値が下がってしまった案件も見たことがあります。
M&Aのパートナー選びにおいて、このような失敗をしないためには、信頼できる会社か、実力のある会社・アドバイザーか、一度会っただけで判断するのは容易なことではありませんが、売却側様にはご自身のビジネスを展開される中で培われた、会社・人を見る目をフル活用いただき、数社の仲介会社の担当者にお会いされ、その担当者を信頼してうまくやっていけるかという人柄の面も含めて、比較検討して選ばれるのが良いかと思います。