M&A手法である、組織再編手続の期間についてのご説明

こんにちは、M&A仲介・アドバイザリー会社のクラリスキャピタルです。

375e054e33ff15137c2c455c909f9f8e_sニッチな話になりますが、今回は組織再編(合併、株式交換、会社分割)手続の期間、具体的には債権者保護手続における公告の話についてです。

前回のブログ「事業譲渡と会社分割の違い」において、「会社分割の手続きが簡易かといわれるとそうでもなく、会社分割は組織再編行為で手続等が規制されており、一定の期間を要したり、手続実行の手間もかかるため…」と書きました。

「一定の期間を要する」とは組織再編にかかる契約を締結したあとに債権者異議手続の期間を一か月以上とる必要があることを指します。この手続きが終わらなければ、組織再編行為の効力は発生しません。

ただし、文字通り、最短で1か月か、といえばそうではなく、実務上はそれ以上に時間がかかることに注意が必要です。債権者保護手続が必要ないケース・当事者もありますが、必要なケースでお話しします。

債権者保護手続とは、債権者への「公告及び個別催告」のことを指します。(個別催告については、「官報と日刊新聞紙の公告」又は「官報と電子公告」をすれば要しません)。

pict「公告及び個別催告」とは具体的には「債権者に対して、組織再編をする旨、相手方等となる会社の商号・住所、当事会社の計算書類に関する事項、異議があれば一定の期間(1か月以上)内に異議を述べることができる旨を官報に公告し、かつ知れている債権者に対して個別に催告を行うこと」です。

ここで、期間に影響を及ぼしてくるのが「当事会社の計算書類に関する事項」です。これは「最終の貸借対照表の要旨」を指します。両当事会社が官報に決算公告をしていなければ、両当事者の「最終の貸借対照表の要旨」の公告が必要になり、債権者保護手続の公告と併せて公告する必要があります。(決算公告をしていれば、掲載紙、掲載の日付、掲載頁を記載して足りますが、上場でもしていない限り、実際に決算公告をしている会社は少ないのではないでしょうか…。)

最終の貸借対照表の要旨も併せて公告する場合には、掲載日が通常の本誌掲載日ではなく、号外の掲載日となります。

例えば、本日4月13日(月)に官報掲載を申し込んだ場合、その日からすぐに掲載されるわけではありません。通常の本誌掲載なら掲載日は4月20日(月)ですが、号外での掲載になりますので、4月28日(火)となります(正確な日付は官報販売所に問合せください)。

また、官報販売所によると、申込みとは「これから申し込みたい」と伝えることではなく、入稿を意味するようですので、それまでに公告する内容ができていないといけません。

Close up of bridal wreath flowersこのように、官報に申し込んでから掲載されるまでの期間がかかることを見越して、早目に申込むことも考えられます。しかし、契約までは何が起こるかわからないM&Aですので、契約締結後の申込みを行うことが通常です。

そうしますと、組織再編にかかる契約締結→公告申込み→それから約2週間程度のちに官報「号外」掲載→掲載日から債権者保護手続期間として1か月以上、ということで、単純に組織再編にかかる契約締結した後に1か月間要するのではなく、実際にはそれ以上に時間がかかります。

そのため、この期間を見越した、組織再編にかかる契約に記載する効力発生日を設定する必要があります。
または、事情により効力発生日をずらせない、ある特定の日に設定しないといけないという場合には逆算して、いつまでに契約締結して、いつまでに官報掲載申込みしないといけないかのスケジュールマネジメントが必要になります。

(クラリスキャピタルのブログ記事一覧はこちら